
奈良のお寺、室生寺の写真を紹介します。
室生寺の創建は奈良時代後期。空海の弟子(真泰)が真言密教を携え入山し現在の伽藍が完成。江戸時代には桂昌院の庇護を受け更に発展。同じ真言宗では高野山が女人禁制であったところ、室生寺は広く女人の参詣を許可、女人高野と呼ばれ女性の信仰を集め、それは現代まで続いております。
室生寺へは、近鉄室生口大野駅からバス(一時間に一本!)に乗り室生寺前バス停まで約15分。
そこから川沿い(宇陀川)に歩き約5分で上の橋(太鼓橋)に到着です。
太鼓橋を渡り少し歩くと仁王門です。江戸時代に焼失し1965年に再建されたということで、朱色が綺麗です。
二体の仁王像。睨みは鋭いですが、色鮮やかでどこか華やかです。さすが女人高野です。
仁王門をくぐって石段の参道「鎧坂」を登ります。奥に見えるのが金堂の屋根です。
両側の緑と石段の苔が美しいです。
金堂です。小規模ですが懸造りです。平安時代初期の建立とのことで、お堂の中には釈迦如来像、薬師如来像、地蔵菩薩像、文殊菩薩像、十一面観音像、十二神将像が祀られています。
いずれも9世紀、10世紀ころ造られた仏像を、ガラス越しでなく拝むことができます。
弥勒堂です。弥勒菩薩像(重文)、釈迦如来坐像(国宝)が鎮座されております。
金堂・弥勒堂エリアから少し階段を上ると本堂に着きます。
本堂(潅頂堂)です。1308年建立、国宝に指定されています。真言密教の儀式、潅頂(がんしょう)が行われるお堂とのことです。私が参拝したときは、比丘尼が唄う様に読経をされていました。他に音の少ない静けさのなか、美しい声が染み渡るようでした。
室生寺のシンボル、五重塔です。高さ16メートル、我が国最少の塔です。優美で均整が取れていて、周りの木々と完璧に調和していました。
本堂と五重塔を臨みます。
更に奥の院に進みます。小さい橋を渡って坂を上ります。
奥の院に続く階段。その数およそ700段!一瞬躊躇いましたが、勇気を出して登ります。
途中休憩を入れながらも、もう限界!と思い始めたところに懸造りの常燈堂が見えてきました。
大規模な懸造りです。昭和に入ってからの建造とのことです。迫力があります。
奥の院に到着です。汗がしたたります。息が完全にあがっていました。
右の御影堂で弘法大師にご挨拶です。本当に有難いことです。
無事に奥の院にもたどり着き、室生寺を後にします。仁王門を内部から望みました。小さな池(バン字池)に緑が映えてなんとも美しいです。
室生寺は優美な古刹でした。写真には撮れませんでしたが、金堂の仏像群のお顔が何とも優しいのが心に残りました。千年以上も女性達に拝められた結果なのでしょうね。