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京都洛北の紅葉風景を二ヶ所紹介します。

まずは八瀬に佇む瑠璃光院です。八瀬は比叡山の麓で高野川が流れる自然豊かな場所です。
瑠璃光院は、叡山電車八瀬比叡山口から約徒歩5分です。

茶室「喜鶴亭(きかくてい)」は三条実美公の命名です。
ここ書院二階からの光景はインスタ等で拡散され世界的に有名になりました。

紅葉が黒光りする写経机に美しく反射します。
撮影日の紅葉は散りが入っていましたがまだ見ごたえがありました。

一階に下がり「瑠璃(るり)の庭」を臨みます。
瑠璃色に輝く浄土の世界を表現しているとのことです。
緑輝く(?)苔と紅葉のコントラスト。。。美の極致です。

「瑠璃」は仏教における「七宝」~ 金・銀・瑠璃(るり)・玻璃(はり)・シャコ・珊瑚(さんご)・瑪瑙(めのう)~ の一つ。
現在ではラピスラズリの和名として用いられますが、昔は広く青色の石を表した言葉でした。

(↓一階書院に飾られる瑠璃石)

 

瑠璃光院のもう一つのお庭「臥竜(がりょう)の庭」です。
天にかけのぼる龍を水と石で表現しているそうです。

苔に落ちる散紅葉が美しい。

 

次は「白龍園」です。叡山電鉄「二ノ瀬」駅が最寄りです。
白龍園は鞍馬山の手前、貴船にも程近い安養寺山にポツンとある知る人ぞ知る庭園です。
通常非公開ですが、春と秋に特別公開されます。
今年はコロナ禍のなか人数を制限した事前予約制となり、結果ゆっくりと楽しむことができました。

(↑)白龍園の観覧受付所は甘味処を兼ねています。予約より早く着いたのでお抹茶を頂きました。
江戸時代後期の古民家を改造した店内は、郷愁感溢れとても味わい深いものでした。

白龍園を訪ねてまず驚くのは苔の美しさ。
ここまで広い範囲で美しく手入れされている苔庭は、京都といえども白龍園だけでしょう。
庭師が毎日丁寧に手入れを行い、また入場者も制限していることから成しうる奇跡だと思います。
当日も庭師の方が実に丁寧に手入れをされていました。

不敬ですので撮影していませんが、写真の手前に山の御祭神「白髭大神(不老長寿)」と「八大龍王(商売繁盛)」を祭る祠が建てられています。とても神聖な雰囲気でした。

白龍園は京都市内に本社をおく老舗アパレルメーカー、青野が所有する日本庭園です。
青野株式会社は楽天ショップを開いています。可愛い子供の服がいっぱい!
https://www.rakuten.co.jp/aono-store/

青野株式会社が白龍園を開いた由来は、以下を参照ください(白龍園HPより)。

一九六二年(昭和三十七)に縁あってこの地一帯を手に入れた、故青野正一氏(青野株式会社の創業者)は、その地に伝わる歴史伝説と信仰を知り、けっして誉や利益のためではなく、ひたすら、この地に宿る史実と無数の魂を思い、祭壇の復元、整地と開発を決心したのでした。そして、その生涯をかけ山を蘇らせ、現在の白龍園の原型を完成させました。
完成までの長い作業は、専門家に頼ることなく社員家族と地元の手伝い衆が力を合わせ行われました。
その想いは引き継がれ、今なお白龍園は進化を遂げています。

紅葉の見ごろは過ぎていましたが、もみじが落ちた東屋が美しく、十分に堪能できます。

白龍園は、烏賀陽百合氏著の「しかけに感動する「京都名庭園」」で詳しく紹介されています。

いくつか引用させていただきます。

神社復興後も青野氏は精力的に庭園の造営を行った。雨が降っても毎日現場を訪れ、庭づくりを行う。驚くことに造園会社の力は一つも借りていない。すべて青野氏と社員の手で山を切り開き、整地し、植栽を行っている。重機が運び入れられなかったため石は人力で運び、石垣、階段、延段を作った。東屋も青野氏の設計、手づくりだ。一番最初からここの庭づくりに携わっている水相敏孝(みずあいとしたか)さんは、79歳の今も現役の庭師として50年以上、白龍園を守っておられる。水相さんは「先代(青野正一氏のこと)はまるで何かに取り憑かれたように、毎日庭づくりをされていました」と語る。

それまでアパレル会社の社長だった人が、急に庭づくりを始めた理由ははっきり分からない。現在のオーナー、青野正一氏のお孫さんで3代目の青野雅行(あおのまさゆき)社長は「すべては信仰心からだったんだと思います」と語る。「祖父は特別な宗教を信じていたわけではありませんが、白龍園の神様はとても大事にしていました。一度庭に白蛇が出た時に、祖父が追い払おうとして石を投げたところ蛇に当たりました。そうしたらまったく同じ時間に、公園で私の兄が友達から石を投げられて怪我をしたんです。それを祖父は自分の責任のように感じて、反省していたそうです」


撮影当日は紅葉も盛りを過ぎていましたが、これほど美しく落ち紅葉が撮れるとは想像していませんでした。

帰り際に青野社長と話をすることができました。「紅葉も盛りを過ぎてまして。。。」と申し訳なさそうに話されるので「これ程美しい苔は見たことありません、落葉したもみじが映えることこのうえないです」と返しました。

秋の公開ももう終了、来年春の特別公開を楽しみにします。
桜が咲いた白龍園、この世に桃源郷が現出することでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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