スポンサーリンク

 

イギリスのジャズギタリスト、Martin Taylorの名盤を2枚紹介します。

"MARTYN TAYLOR SOLO"  2005

01 I'm Old Fashioned
02 True
03 Moose the Mooch
04 I Thought About You
05 I'm On My Way
07 Lil Darlin
08 In A Mellow Tone
09 Tennessee Waltz
10 Girl Talk
11 My Romance
12 Some Day My Prince Will Come
13 Joyspring
14 Wasabi Greens

タイトル通り、全曲ギターソロでJazzの有名スタンダードを演奏したアルバムです。ギターソロのアルバムは、正直聴いていて飽きが来るものが多いのですが、本作は違います。超絶技巧を使っていますが、とてもリラックスした雰囲気に仕上がっており、ヒーリングミュージックとして紅茶飲みながら楽しむのにピッタリです。お客様がいたら「お洒落なCDですね」と評判間違いなしです。

ジャズギターのソロとしては、Joe Passの "Virtuoso" が有名ですが、Passのは超絶技巧を味わうといった趣旨(それはそれで楽しいです)。

Martyn Taylorのギターは、まず音色がとても美しい。ナイロン弦を丁寧にフィンガーピッキングしています。また、純Jazzという感じではなく、良い意味でPopなテイストを持っています。イギリス人のなせる味付けでしょうか。

Martynは20代の頃から、ヴァイオリン奏者ステファン・グラッペリのバンドで演奏し、その技巧が高く評価されてきました。ジャンゴ・ラインハルト流のジプシーギターが彼のルーツにあることは間違いありません。実際、ジャンゴ風の演奏を集めたアルバムも発表しています。

Martyn Taylorはジャンゴ・ラインハルトをフォローしつつも、ソロ演奏において独自の世界を開くことに成功しました。実際、彼の様に弾ける奏者は他にいません。唯一無二です。あのチェット・アトキンスやパット・メセニーから「世界一の技巧」と評価される存在、まさにVirtuosoです。

 

"Masterpiece Guitars"  with Steve Howe  1996

01 Two Teardrops
02 No Pedestrians
03 Smile
04 Questa
05 All The Things You Are
06 Thought Waves
07 Thank Heaven For Little Girls
08 Ginger
09 Blue Bossa
10 Tailpiece
11 Cherokee Ridge
12 Sunshine Of Your Smile
13 Goofus
14 Moon River
15 Ae Fond Kiss / Farewell To Erin
16 Somewhere
17 Harpnosis

2枚目はギター・デュオを聞かせるアルバム、何とお相手はSteve Howe、ブリティッシュ・プログレロックの大御所、YESのギタリストです。

ということで、派手なギター・バトルを期待して聞くとこれが大外れ。アコースティックでお洒落で大人の雰囲気に仕上がりました。午後の紅茶のBGMにぴったりです。さすがお二人とも英国紳士ですからね。

Steve HoweはYESで活躍した職人肌、技巧派のギタリストです。英国三大プログレバンドとして、Pink Floyd、King Crimson、そしてYESが挙げられますが、YESはその中でも演奏力で勝負するタイプでした。
Steve Howeはその中核として、クラシック、スパニッシュ、そしてジャズと、あらゆるスタイルのギターを弾きこなしていました。私はその中でも名曲 "Siberian Khatru" の演奏が最も好きでした。YESの最高傑作と言われるアルバム、"Close to the Edge(邦題「危機」)"の最終曲として収録されています。

(↓)傑作 "Close to the Edge" 1972


Close to the Edge

冒頭のギター・カッティングがカッコよいですね。その後のリフもジャジーな感じです。私は中学生の時この曲を聴いて「大人のロック、他のロックミュージシャンと一味違うな」と、強い印象を持ったものです。ギターと掛けあうキーボード(メロトロン?)はRick Wakemanです。

さて、"Masterpiece Guitar”に戻りますと、二人はScott Chineryという方の所有するビンテージ・ギターを弾いているとのことです。確かにマンドリンやハープの様なギターの音色も聞こえますね、珍しいギターなのでしょう。

全体を通しては、やはりジャンゴ・ラインハルトの影響を受けたジプシーサウンドの香りがしますが、ポップな味付けが利いて土臭さが抜けています。イギリスの味わいでしょうか。


ソロ~マーティン・テイラーの真髄


Masterpiece Guitars by Martin Taylor/Steve Howe (2009-03-22)

スポンサーリンク
おすすめの記事