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前回 Joe PassのTudo Bemを紹介しました。傑作ですが、彼にとってはやはり異色作です。
今回はVirtuoso(名手)Joe Pass初期の代表作2枚を紹介します。

“For Django” by Joe Pass 1964

Guitar: Joe Pass, John Pisano
Bass: Jim Hughart
Drums: Colin Bailey

 

 

 

Passが敬愛するジャンゴ・ラインハルト(Django Reinhardt)に捧げたアルバム。ピアノレスのカルテット演奏、バッキングにはJohn Pisanoが参加。ジャンゴに捧げたといってもジプシースタイルではありません。極めてオーソドックスな4ビートジャズです。

アルバム全体を通じてとても落ち着いた演奏です。Pisanoの控えめなバッキングが雰囲気を決めています。ピアノレス構成がとても成功しています。

Passのソロはコードワークを多用せず単音弾きが中心です。硬めに貼った弦をしっかりピッキングする太めの音が心地よいです。早いフレーズも楽々と弾きこなすPassのテクニックに舌を巻きます。

捨て曲無しのアルバムですがA面(昔の表現ですね)1 Django 2 Rosetta 3 Nuages 4 For Django、の流れがとても良いです。品の良い、雰囲気の似た演奏が連続しますので、BGMとしても邪魔になりません。

地味に感じるかもしれませんが、とてつもないテクニックの詰まった、Jazzギターの見本の様なアルバムです。

 


For Django by Joe Pass (2010-09-22)

 

“Catch me” by Joe Pass 1963

Guitar: Joe Pass
Piano & Organ: Clare Fischer
Bass: Ralph Peña, Albert Stinson
Drums: Colin Bailey, Larry Bunker

 

 

Joe Passのデビュー・アルバム。キーボードにClare Fischerが参加、未だ無名だったPassを全面的にバックアックしています。” For Django” は統一感のある落ち着いたアルバムでしたが、”Catch Me”では様々なタイプの曲をFisherをバックに、Passが溌剌とソロを取っています。お薦め曲は以下です。

A1 “Falling love with love”: 有名なスタンダード「恋に恋して」です。1938年のミュージカル「シラキューズから来た男たち」の一曲です。Jazz演奏家による多くのカバーがありますが、私はJoe Passによるこの演奏がお気に入りです。時折早いパッセージを交えながらのPassのソロは、とてつもないテクニックを使っていながらそれを感じさせません、余裕がなせる技でしょう。アドリブの曲想もアイディア溢れるもので、ソロの流れからコード進行を感じます。これぞアドリブの見本と呼びたい演奏です。Clare Fischeのオルガンによるバッキングも、控えめでとても効果的です。

A2 “Summer time”: ガーシュインの超有名曲。Passの太い音とFischerのガーンと鳴らすピアノがよくマッチして、この曲の物憂い感じが良く出ています。ブルース臭さの全くない、白人によるSummer timeの名演。

A3 “Just Friends”: 冒頭からオクターブ奏法によるテーマ演奏です。Passのオクターブはウエス・モンゴメリーとは異なり、派手さはないがソフトな音色。単音ピックのいつものPassとは異なるギターが楽しめます。"Just Friends"はギタリストが好む楽曲で、Wes MontgomeryBarney Kesselによる演奏が残されています。

 

 

B5 "You Stepped Out Of Dream": ミュージカル映画「美人劇場(1941)」からのスタンダート、邦題「夢から覚めて」。この曲もギタリストに好まれます。Tal Farlow(↓)では、あの極太弦によるゴツゴツとした演奏が楽しめます。Eddie Costaの強いタッチのピアノとぴったり。

 

対照的に流れるような Sal Salvadorによる"You Stepped Out Of A Dream"。

 

Joe Passに戻ります。"Catch Me"では、この曲だけがギターの音色が異なり、軽い感じになっています。ギブソン(他トラックはこれだと思います)からギターを変えたのでしょうか。淡々とした演奏に良くマッチした音色です。"You Stepped~"がギタリストに好まれるのは、メロディーラインの上下の動きが少なく、ギターでアドリブ・スケールが作りやすいところ。Passはその長所を十分消化して、軽快で流麗なソロを繰り広げます。若干速めのミドルテンポもぴったり。

 


キャッチ・ミー

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