名曲紹介 Gentle Thoughts by Herbie Hancock from album "Secrets" 1976
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Gentle Thoughts from album "Secrets" 1976

keyboards: Herbie Hancock
guitar: Wah Wah Watson,  Ray Parker Jr.
bass: Paul Jackson
drums: James Levi
Sax: Bennie Maupin

 

 

Herbie Hancockが1976年に発表したalbum “Secrets” よりGentle Thoughts.  HerbieはHead Huntersでファンク路線を突き進んだが、次の新たな路線を模索していた頃の作品。アルバム自体はHerbieの中ではあまり語られない作品ですが、5曲目のGentle Thoughtsが際立っています。当時のHerbieがどこまで意識して作ったか分かりませんが非常にキャッチーでポップです。Lee Ritenourはこの曲に感化されて彼のfusion路線を固めています。Ritenourが結成したFusion Band “Gentle Thoughts”はこの曲が名前の由来です。因みに、前回、前々回で紹介した高中正義(An Insatiable High)、渡辺香津美(Mermaid Boulevard)の演奏メンバーは殆どGentleのメンバーと同一です。

曲はスキップを踏むような軽快なリズムで始まります。Paul  Jacksonの弾けるベース、Wah Wah WatsonとRay Parker Jr.のカットギターがカッコ良いです。Herbieがrhodesで奏でるメロディーがPOPでこの曲をFusionの(一つの)先駆けとしました。

Bill Withersが1977年にヒットさせた “Lovely Day” という名曲がありますが、リズムといいハーモニックといい “Gentle Thoughs” にそっくりです。発表年から考えてパクリか、と思ってしまうくらいです。とは言え名曲ですので貼っておきますね。

Lovely〜は多くのカバーがありますが、私のお薦めはこれ。Wilbert Longmireというギタリストです。乾いたギターの音がこの曲にピッタリ。ジョージ・ベンソンをもっと聞きやすくした感じです。このギタリスト、今は何しているのかな。

Sunny Side Up by Wilbert Longmire

Gentle Thoughtsに戻ります。この曲の最大の聞きどころは、Wow Wow WatsonとRay Parker Jr.のギターカッティングです。最初から最後まで二人のチャカポカ(?)を楽しむことができます。特にWatsonの天才ぶりは凄すぎ。この方はワウペダルの発明者としても有名ですが、曲のグルーブを完全にギターのリズムが支配しています。「ソロなんかダサくてやらないよ」という感じ。カウントベーシー・オーケストラにGrant Greenというギタリストがいて、彼もリズムしか刻みませんでした。ベーシーはGreenが不在のオーケストラの演奏を「リズムが死んでいる」と評しました。「ダサくて云々」はそのGreenの言葉です。

WatsonはHancockに重用されていて “Hang Up Your Hang Ups”でも切れ味の良いプレーを楽しめます。

Watsonのワウ・ギターは多くのフォロワーを生みました。私が好きなのはNative Sonの演奏で、大出 元信の洗練されたリズムカッティングを聴くことができます。

コースト・トゥ・コースト+1


Secrets

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