息子の為の金融論44~株式投資のリターンの源泉 経済成長 1
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具体的な投資商品の紹介も含めて、投資の基本を紹介してきました。

  • 投資のドライバーは株式
  • 株式投資の基本はポートフォリオ投資
  • ポートフォリオの基本はインデックス
  • 手数料が嵩む投資信託より上場ETFを選択すること
  • 米国上場のETFは手数料が圧倒的に安くお薦め

今回から、やや理論的に投資について考察していきましょう。

大きく二つのテーマがあると思います。

  • 経済成長:全てのリターンの源泉
  • r>g:資本収益率>経済成長率

以下、説明していきましょう。

経済成長がリターンの源泉である

当たり前の様ですが、資産の収益(リターン)は、経済が継続的に成長する世界でなくては得られません。以前の投稿で以下の様に説明しました。

日本では、「脱成長」を主張する知識人(?)が多いです。また、環境問題などと結びつけて、脱成長に親近感を持つ若い人もいるようです。

しかし、以下で「経済成長は不可欠であること」「経済成長に不可欠なこと」、を説明しましょう。日本はずーと経済成長をしていない世界でも珍しい国ですが、経済成長に対する正しい認識を国民が共有していないことも、一つの原因と考えます。

経済成長は不可欠であること

人間は常に工夫する生き物

人間の社会活動の本質の一つに、人は常に工夫するという事実があります。

工場の効率性を上げるとか、オフィスワークの無駄を無くすとか、会社では不断の努力が繰り広げられています。

何故か?

努力しないと競争から脱落するからです。利益を上げることが難しくなり、行く行くは潰れてしまうからです。実際、名門企業でも「努力を怠って」破綻する事例は数多くありますね。

常に努力して、効率的な方法を工夫する。それは会社の存在にとって不可欠な営みですが、それによって何が起こるかを考えてみてください。

椅子取りゲーム

何がおこるか?

工夫した分、人手がいらなくなるということです。

例えば、ある商品の製造に10人の人手が必要であったとして、「工夫の結果」、9人で済むようになるということです。つまり、一人は不要になる。

10人分あった椅子が一つなくなり、9脚の椅子を10人で争う「椅子取りゲーム」が始まるのです。必ず一人は座れないゲーム。

しかも、「工夫は不断に続けられる」ので、ほっておくと椅子はまた減っていく。こんどは8脚を争う戦いが始まる。。。

この不毛な、そして陰惨なゲームから脱出するにはどうしたら良いのでしょうか?

因みに、この陰惨な椅子取りゲームは、日本がこの20年以上おこなってきたことです。

非正規社員の増加(正社員の椅子の減少)給与の減少(一つの椅子を分かち合う)、そして究極は人口の減少(椅子の減少に合わせてゲーム参加者が減る)にまで辿り着きました。

解決策は「椅子を増やす」こと

当たり前ですね。椅子を増やせばみんな座れますから。

しかし、無暗に椅子は増やせませんね。増やすためには、人手を再び必要とさせなくてはいけません。どうしたら良いか。

そう、会社であれば売り上げを伸ばすのです。そうすれば、売上の増分の人手が必要となります。椅子をゲームに供給することができます。

しかし会社が売り上げを伸ばすって簡単じゃない。。。

デフレ慣れした日本人はそう考えがちですね。しかし、日本でも高度成長期は売上はガンガン伸びていました。むしろ、商品がショートしないよう人手を確保する方が大変でした。

高度成長期は、椅子の数>ゲーム参加者、の世界でした。社会は常にゲーム参加者を求めていたのです。

経済成長をしないと陰惨なゲームは終わらない

経済成長をしない社会は、数少ない椅子をみんなで奪い合う陰惨な社会です。

昔から左派は「脱成長」「皆で分かち合えば良い」など、お花畑的な言説を繰り返してきました。

しかし日本の「失われた20年(以上)」は悲惨な椅子取りゲームを現実化しました。今や、選挙で「中間層の復活」等という言葉が普通に使われています。「中間層を没落させた犯人は誰」かを明示せずに。。。

今回は「経済成長は不可欠であること」を説明しました。

次回は犯人捜しです。「経済成長に不可欠なことは何か」(日本の場合、不可欠なことを怠ったのは誰か」)を説明します。

 

 

 

 

 

 

 

 

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