
前回までお金の起源について、物々交換や人々の信用を軸に説明しました。
今回はお金の「機能」、つまり、お金は何の役に立つの?について整理してみたいと思います。
当たり前のことのように思えますが、お金の機能を改めて習うことは、大学で経済学の講義を受ける以外は、日本ではなかなかありません(海外では小中学校から金融教育が普通に行われます。)
さて、お金には3つの機能があります。
お金の3つの機能
(1)交換機能(ものやサービスと交換できる)
(2)尺度機能(ものやサービスの価値を図る尺度となる)
(3)保存機能(価値を貯める(保蔵するとも言います)ことができる)
(1)交換機能
この機能はわかりやすいでしょう。お金でものやサービスを買うということは、お金を渡してものやサービスを手に入れる、つまり交換することに他なりませんね。逆にお金が存在しなく、ものとものを直接交換する(物々交換)ことの不便さを考えれば、お金のこの機能がどれほど不可欠なものか、すぐに理解できると思います。
(2)尺度機能
お金は、ものやサービスの値段を決める際の単位になることができます。新しく発売になるPCは10万「円」だとか、ニューヨークまでの航空運賃が5万「円」だとか。
お金がなければ、例えばりんご5個はみかん10個分だとか、東京→大阪の鉄道運賃は散髪10回分だとか、共通の単位が無くなってしまい、もの・サービスの価値を統一的に表すことが不可能になってしまいます。共通の単位「円」を使うことで、全てのもの・サービスを比較することができるのです。
日本では江戸時代にお米が価値尺度の一つとして使われていたそうです。石高制度といい、土地の値段や武士の給料を、お米の量で測る制度です。時代劇とかでありますね、お主を十万石の城主に召し使える、とか。しかし封建時代特有なものとして、明治からは無くなっていきます。
(3)保存機能については次回説明します。
↓ 関連するお薦めの書籍です
日本史に学ぶマネーの論理