息子の為の金融論31~若い人への投資のすすめ 3
スポンサーリンク

投資信託の二つの投資スタイル

パッシブとアクティブ

投信信託は複数の金融商品を「混ぜ合わせた」ポートフォリオ投資のための商品です。ポートフォリオ投資の意味・効果については以下投稿を参考にしてください。

投資信託には債券や不動産などを対象とした商品もありますが、このブログでは株式を中心に解説しています。さて、その株式を対象とした投資信託は、大別して以下二つのタイプ(ファンド)に分かれます。

インデックスファンド:市場平均(ベンチマーク)と同じような動きをする運用を目指すファンドのこと、ここでベンチマークとは「日経平均株価」や「TOPIX」、米国では「SP500」などの株価指数のこと

アクティブファンド:独自の銘柄選択によって、株価指数(インデックス)の動きを上回る投資成果を目標とする運用方法のこと

インデックスファンドの様に、市場平均の投資リターンを狙う投資スタイルを「パッシブ運用」と呼びます。

アクティブファンドの様に、「積極的に」市場平均以上の投資リターンを狙うスタイルを「アクティブ」運用と呼びます。市場平均以上の超過リターンを、アルファと呼びます。「このアクティブ運用で得られたアルファはxxx%」等とプロの世界では使います。

インデックスファンドとアクティブファンドの違い

インデックスファンドは「TOPIX」や「S&P」、更には「世界株式インデックス」に連動した運用なので、透明性があり運用方法がわかりやすいです。ファンドマネージャーの「手腕」等と関係ないため、報酬を払う必要がなく手数料が少ないメリットは大きいです。

アクティブファンドは、ファンドマネージャーの「目利き」で銘柄を選択しますので、「当たれば」超過リターンを期待できます。銘柄選択の組み合わせは無にあり得るので、商品もバラエティーに富んでいます。他方、いつも「当たる」とは限りません。がっかりする結果も少なくないです。また、ファンドマネージャーへの報酬等手数料は嵩みます。

過去の実績では、インデックスファンドを超過するリターンが得られたアクティブファンドは数少ないです。アクティブファンドの手数料の高さが足枷になると良く説明されますが、私はそれに加えてアクティブ運用の本質的な性質が関係していると見ています。

アクティブ運用は「本当」の分散投資ではない

そもそも何故分散投資をするのか?

それは多数の銘柄を組み合わせることで、個別株式のリスクを減殺するためです。ライバル会社A,Bの二つの株式を持てば、一方が下がればもう一方が上がることである程度相殺されますね。
究極「全ての株式に」投資をすれば、個別の株式の動きはポートフォリオの中で無視できるリスクとなります。

全ての株式に投資するとして、ポートフォリオの中で、各々どの程度の割合にしたらよいのか。この答えも明確で、市場で取引されている規模、すなわち時価総額の割合で組み入れたらよいのです。なぜなら、時価総額は株価で決定されますので、総額と異なる組み入れをするということは、株価という市場で決定される値段に「No!」を突き付けるのと同じだからです。上場された市場で取引される値段が「違う(No!)」と言えるのは、市場が知らない特別の情報を持っている場合です。それを「インサイダー情報」と呼びます。それを知っていて取引すると、貴方は確実に逮捕されます。。。

以上が分散投資の本質です。前回含め、このブログでは何度も形を変えて説明してきたことです。この本質から考えると、アクティブ運用は分散投資ではありません。ある業種や特定の銘柄にフォーカスを当てた個別株投資と同じだと思います。

そして分散投資のメリットは、分散効果によって個別株投資より有利なリスク・リターンの組み合わせができることでした。実質個別株投資に近いアクティブ運用は、パッシブ運用(これは分散投資の考え方を忠実に反映している)に劣位する組み合わせしか実現できないのです。

インデックス投資(パッシブ運用)のリスクとは

以上、前回とも被る内容を書きましたのは、インデックス投資の真のリスクをアクティブと対比することで明らかにしたい趣旨です。

インデックス投資は個別株式や個別業種のリスクは希釈されます。しかし当然無リスクではありません。インデックス投資でも残るリスクをシステマティック・リスクと呼びます。

システマティック・リスクとは株式市場全体を揺るがすリスクです。災害、戦争、金融危機、政争、金融財政政策の失敗などが代表例です。

システマティックリスクで最も記憶に新しいのは昨年2~3月頃の株式大暴落ですね。コロナショックと呼ばれました。その前には予想外のトランプ大統領誕生、ブレグジット決定などがありました(ただ、いずれも早期に解消されましたが)。やはり大規模で回復にも時間がかかったのはリーマンショックでしょう。典型的なシステマチック・リスクでした。

インデックス投資で気を付けることの第一は、いわばマクロ的な事象なのです。でも、リーマンショックなんか予想できないよ、気を付けろと言われても、、、と思われたでしょう。

その通りです。予想できないからショックと呼ばれ、株価も大きく下落したのです。しかし予想できるものもあります。それは財政金融政策の効果です。

この点、日本は(アベノミクス初期を除き)ずーと財政金融政策を失敗し続けています。日本株の低いパフォーマンスの理由はこれです。要はシステマティックリスクが高いのです。そして皆、そのリスク(日本は財政金融政策を失敗し続ける)を皆(特に外国勢)が予想できるのです。アベノミクスの初期に株が大きく上昇したのは意外にも日本がまともな金融政策に転換した「ショック」からです。

しかし消費増税などで「日本は財政金融政策で失敗する」との予想が再び強まり、日本株のシステマティック・リスクは上昇しています。現在世界株式は(コロナショックから)大きく回復していますが、日本株は相対的に出遅れています。これは金融財政政策に伴うシステマティック・リスクで説明できます。日本株の「失敗の本質」です。

スポンサーリンク
おすすめの記事