息子の為の金融論43~若い人への投資のすすめ 15
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私の考える理想のポートフォリオ

前回説明まででポートフォリオは以下に決まりました;

  • 50% 米国ETF(VT25% + VOO5% +VB5% +VIG15%)
  • 10% 日本株(割安株/高配当株)
  • 20% 預金債券(10%銀行預金 10%米国債
  • 15% 実物資産(米国リート)

残りは5%ですね。これは新しい投資商品として仮想通貨でも投資しておきましょう。

正直全く予想不能です。しかし「新しいものの勉強として」、損をしたら「授業料」と割り切りましょう。今や手軽にスマホで投資できます。

ポートフォリオのリターンについて

さて、上記のポートフォリオから得られるリターンを計算してみましょう。

重要なポイントは、長期に持ち続けるということです。

長期とは最低でも10年間、若い人であれば20~30年持ち続けましょう。

リターンのドライバーは、60%保有する株式、そして15%保有する実物資産(米国リート)です。

現金・預金は将来不測のキャッシュフロー不足に陥った時の備えですから、リターンは基本ゼロと割り切りましょう。また、仮想通貨は「ギャンブル」ですのでこれもリターンは見込みません。

株式のリターンは、10年以上保有すれば平均して年利6%は期待できます。ポートフォリオでは米国株式の割合を高くしたので、さらに1~2%上乗せを期待できるかもしれません。しかし今回は(控えめに?)6%で計算しましょう。尚、配当は全て再投資に回し、複利効果を狙います。

10年後の累積リターン(投資元本の何倍になるか)は、1.06を10乗してもとめます。1.79(倍)ですね。単利では1.6ですので、1.79との差、0.19が複利効果です。
20年後の累積リターンは3.2、複利効果1.0。
30年後の累積リターンは5.7、複利効果2.9。
30年間保有すると、その複利効果は単利を超えるということです。長期間保有した場合の複利効果は(実際計算してみると)想像を超えているのではないでしょうか。

米国リートは4%程度が期待できます。累積リターン(複利効果)を計算すると;
10年後:1.48 (0.08)
20年後:2.19(0.39)
30年後:3.24(1.04)

わずか2%の差で、株式とリートで累積リターンにここまでの違いがあることに、驚かれたのではないでしょうか。

さて、以上で累積リターンが計算されました。1,000万円を上記ポートフォリオに投資したとして、10年後~30年後のポートフォリオの成長を見てみましょう(簡略のため全て円で表示します)。

  • 当初1,000万円の内訳(株式600万円、リート150万円 現預金他250万円)
  • 10年後のポートフォリオ 合計1,546万円
    株式1,074万円 リート222万円 現預金他250万円
  • 20年後のポートフォリオ 合計2,498百万円
    株式1,920万円 リート328万円 現預金他250万円
  • 30年後のポートフォリオ 合計4,156百万円
    株式3,420万円 リート486万円 現預金他250万円

どうでしょうか。長期保有の効果は凄いと、確認できましたでしょうか。

逆に、リターンを生まない現預金との差に、慄然としませんでしょうか。

投資をしないことは極めてリスキーであると、思いませんでしょうか。

リターンと経済成長

上記の、資産が膨れ上がる効果は、日本以外の国では顕著に観察される当たり前のことです。

実際、欧米、中国、その他アジア各国でも、富裕層がここ20年間でどんどん誕生しています。

日本だけが例外です。経済政策の失敗でデフレが続いていること、経済金融音痴の国民性からそれら失策が見過ごされていること、脱成長を唱える似非インテリ(特に高齢者)が学会・マスコミに多いことが、主な要因です。

日本だけが相対的に貧乏になっているのです。国も大学も企業も大きな投資をしていません。みな、お金が無いと思いこまされています。

正しくは、お金が無いのではなく、お金を増やしていない、のです。

株式市場から生まれるリターンの、最初の一歩であるインフレ期待の醸成に失敗しているのです。

政府日銀の罪深い失敗です。日本的官僚の、国民を顧みない姿勢の結果です。

次回以降、株式市場のリターンの源泉とは何かなど、再び理論的な考察に戻ろうと思います。

 

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