息子の為の金融論42~若い人への投資のすすめ 14
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日本株をどう考えるか

私が考える理想的な運用ポートフォリオについて説明しています。
資産全体の配分方針は以下でした。

ポートフォリオ全体の構成:株式:60% 実物資産:15% 仮想通貨等:5% 現金・預金:20%
通貨割合:米ドル60% 日本円:40%
株式ポートフォリオ:全体60%のうち、50%を米国上場ETF(ドル建て)に投資

前回は、米国上場ETFについて説明しました。
株式ポートフォリオの過半は米国ETFへ振り分けるのが妥当ですが、残り(10%程度)は日本株を検討しましょう。

経済政策リスクが高い日本株

日本株のこの20年間以上のパフォーマンスは世界最悪です。バブル崩壊後、デフレから脱却できない期間と丁度一致します。アベノミクスによる金融緩和が無かったら、更に酷い状況だったでしょう。

日本株の酷さは何か邪魔をされていると思わざるを得ないレベルです。そう、日本の政治家、官僚は(意識しているかは別として)「経済成長の邪魔」をしているのです。そして世界一経済リテラシーの低い日本国民は、その邪魔を歓迎しているのです。

この点については、以下投稿を参照してください。

そういう日本株に敢えて投資するか?との疑問については、以下の通り考えています。

  • この数年で経済音痴の日本人も少し変わってきた。自国通貨建て国債はディフオルトしないなど、正しい言説がネットにも溢れてきた(残念ながら主流派マスコミでは今だ少数派だが)。
  • 高市早苗氏が「PB黒字化目標を凍結せよ」と、何と与党政治家がまともなことを言い出した(岸田政権は採用していないが)。
  • 今までの間違った経済政策の楔がもし外れれば、日本株は急激に上昇する可能性はある。アベノミクス初期の状況が再現される可能性がある。

よって、全体ポートフォリオの10%程度は日本株に投資しても良いだろう、と考えています。ただし、日本の投資信託は手数料が高い、またETFも種類が限定されていることから、敢えて個別株投資を私は薦めます。PERが低い割安株、かつ高配当株を東証一部から見つけることは可能です。そこに投資して、間違った経済政策の楔が外れることを期待しましょう。否、有権者として「間違った経済政策を主張する」政治家は選挙で落としましょう。そして、思いあがった官僚を批判する言説を盛り上げましょう

REIT 実物資産でお薦めの投資商品

以上で、ポートフォリオ全体80%の資産配分方針が決まりました。纏めると;

  • 50% 米国ETF(VT25% + VOO5% +VB5% +VIG15%)
  • 10% 日本株(割安株/高配当株)
  • 20% 預金債券(10%銀行預金 10%米国債

青字は米ドル建て投資ですので、ポートフォリオ全体のドルへの配分60%もこれで達成できました。

次に、15%を割り当てた「実物資産」への投資を考えましょう。

実物資産といっても幅が広いです。金、不動産、絵画など様々な選択肢があります。

しかし、絵画などは流動性が極めて低く、個人の趣味として買うことはさておいて、投資としては全く割に会いません。値上がり期待は、宝くじを買うような確率です。

金、プラチナなどは、個人的には全く予想不能と思っています。不確定要素が多すぎます。

そこで実物資産の私のお薦めは不動産です。しかし土地建物そのものを買うことは、流動性の問題もあり投資としては(少なくとも個人は)非現実的です。

ところが今や、不動産をバック(原資産)とした金融商品(投資信託)があります。

それがREIT(Real Estate Investment Trust)です。

まず、REITの金融商品としての特徴は以下です;

  • ミドルリスク・ミドルリターンであること
  • 基本景気と連動するが、株価とは異なる値動きをすること
  • 安定した配当利回りが得られること

ミドルリスク・ミドルリターン

そもそもREITとは、多くの投資家から集めた資金で、オフィスビルや商業施設、マンションなど複数の不動産を購入し、その賃貸収入などを投資家に分配する仕組みです。

実物資産である不動産の裏付けがあり、賃貸収入が分配金のベースとなっています。

また、単独の不動産ではなく、複数の物件に分散投資をしていますので、個別不動産のリスクは希釈されています。

投機的なマネーは株式ほどは流入しませんので、値動きは株価ほど激しくない、ミドルリスク・ミドルリターンの投資商品です。

株価とは異なる値動き

基本、景気に連動した値動きをするのは株価とは同じですが、株式相場との相関は 0.6-0.7 程度です。REITを保有する主体(投資法人)は借入金を多く有するため、金利の影響を株価より強く受けます。金利低下局面では、株価を上回るパフォーマンスを示すことがあります。

株価と同じリスク資産ではありますが、動きが異なるREITを一部組み込むことで、ポートフォリオ全体の分散効果の高まりを期待できます。

安定した配当利回り

この点がREITの最大のメリットと考えます。株式の配当は企業業績がベースですが、REITの配当は不動産賃貸料です。賃貸料ももちろん高下しますが、企業業績ほど激しく動くものではありません。過去データを見ると、概ね3-4%の配当利回りが達成されています。これは、株式の配当利回りを上回ります。

REITを一部組み込むことで、安定したインカムゲイン(配当)が期待できます。

REITは長期保有して、配当メリットを享受したい投資商品です。

お薦めはやはり米国REIT

米国REITは日本の十倍の厚みがあり、また保有不動産の分散も幅広く行われております。

また、米国は先進国にもかかわらず、人口が増加しており、また今後も増加が期待できる国です。

そう考えると、やはりお薦めは米国REITとなります。

米国REITに連動した投資信託商品が複数開発されています。

ネットで簡単に検索できますので、興味を持たれたら一度調べてみたくださいね。

<投資は自己責任で>

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