
Contents
米国上場ETFによるお薦めポートフォリオ
前回は、資産ポートフォリオの組み方について全体的な話をしました。以下がその纏めです。
- ポートフォリオ全体の構成:株式:60% 実物資産:15% 仮想通貨等:5% 現金・預金:20%
- 通貨割合:米ドル60% 日本円:40%
- 株式ポートフォリオ:全体60%のうち、50%を米国上場ETF(ドル建て)に投資
今回は、米国上場ETFによる株式ポートフォリオの組み方について説明します。
基本的な考え方は以下です;
- 全世界株式に連動することを基本
- 今後も最も成長が期待される米国企業との連動を強化
- 米国企業のうち、更に今後の成長が期待される中小型株に投資
- 将来のインカムゲイン強化として高配当株に投資
全世界株式との連動
全世界株式と連動することは、インデックス投資の基本です。インデックス投資のアイディアは、経済学者トービン(1918-2002)による「分離定理」(以下投稿を参照ください)ですが、全世界株式への投資を前提としています。
全世界株式をインデックスとするETFは各種ありますが、私のお薦めはVTです。
【VT】バンガード・トータル・ワールド・ストックETF
- ベンチマークは約8,000銘柄の大型、中型、小型株(47か国以上をカバー)
- 全世界の投資可能な市場時価総額の98%以上をカバー
- 市場(国別)投資割合:米国(57%)日本(7%)中国(5%)英国(4%)その他先進国中心
- 純資産額:約2.8兆円
- 経費率:0.08%
純資産額の大きさと、経費率の低さに注目してください。運営のバンガード社は手数料が低いことで有名で、今後0.08%より更に低くなることも期待できます。
米国企業との連動
新しいアイディアが比較的容易に企業化できるのが米国です。今後も米国企業が世界を牽引するでしょう。VTに組み入れられている半分以上が米国企業でしたが、更に米国企業をトッピングすることは投資資産の成長に大きく寄与するでしょう。
その点でS&P500に連動するETF、その中でもVOOがお薦めです。
【VOO】バンガード・S&P500 ETF
- ベンチマークは米国株式市場のパフォーマンス全体を示すS&P500指数
- アップル(AAPL)、マイクロソフト(MSFT)、アマゾンドットコム(AMZN)、フェイスブック(FB)、アルファベット(GOOGL)(GOOG)、テスラ(TSLA)、バークシャー・ハサウェイ(BRK)、エヌビディア(NVDA)、JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー(JPM)等が主な構成銘柄
- 上記通り、主に大型株で構成
- 純資産額:約10兆円
- 経費率:0.03%
アメリカを代表する企業500社に分散投資できるETFです。経費率は驚きの低さですね。大型株中心であることは念頭に置いてください。
米国中小型株へ投資
VT、VOOに組み入れられている米国株は基本「大型株」です。大型株は、業績は安定していますが、ある程度成熟期に入っている企業の株式です。期待される成長の速度はスローダウンしていると言わざるを得ません。
そこで、今後の鋭角な成長が期待できるのが、中小型株です。中小型株をインデックスするETFはちゃんと存在します。代表例がVBです。
【VB】バンガード・スモールキャップETF
- CRSP USスモールキャップ・インデックス(S&P500には含まれない米国小型株式)との連動を目指す
- 構成銘柄は約1400銘柄、小型株なので頻繁に構成比率は入れ替わる
- 時価総額:約5.5兆円
- 経費率:0.05%
S&P500等と比較し、米国小型株式のインデックスはボラティリティが高い特徴があります。しかし長く持ち続けることで、インデックスに含まれる小型株のいくつかは大化けし、ETFの鋭角な成長を支えることが期待できます。
米国高配当株への投資
株価は市場全体の動きに振らされます。よってキャピタル・ゲイン狙いはタイミングによっては不調な場合があります。一方、配当は株数に応じて(株価とは別に)支払われます。
ポートフォリオに高配当株式を一定割合組み入れると、株式市場に振り回されない安定的なインカム・ゲインを得ることができます。
そんな高配当株をインデックスするETFは複数ありますが、私のお薦めはVIGです。
【VIG】バンガード米国増配株式ETF
- 10年以上連続して増配の実績を持つ銘柄で構成
- 組み入れ銘柄は約210社
- マイクロソフト(MSFT)、JP モルガン・チェース・アンド・カンパニー(JPM)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、ウォルマート(WMT)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、ビザ(V)、ホーム・デポ(HD)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)、コムキャスト(CMCSA)、オラクル(ORCL)など比較的有名銘柄が多い
- 時価総額:約7.3兆円
- 経費率:0.06%
VIGの特徴は、株価上昇と配当成長の二つを狙うことです。そして、過去データではちゃんと目的を果たしています。配当利回りは1.6%程度で、高配当ではないじゃないか、と思いますが、10年前の株価で利回りを計算すると5%超になります。つまり、株価が上昇し続けているので直近の株価では利回りが低く見えるのです。
VIGは、10年超という期間で長期保有すれば、拠出金額の5%以上の利回りを享受できるということです。また、それから更にずっと、利回りのアップを期待できるのです。20年間保有すれば、10%程度の利回りも視野に入ります。
リタイヤ後の安定収入源としての活躍が期待できるETFです。
VT、VOO、VB、そしてVIGをどの様に配分するか
資産の50%を米国ETFに(ドル建てで)投資する方針でしたね。
それでは上で紹介した4つのETFの配分はどうしたら良いでしょうか。
中心はVT(全世界株式インデックス)です。これに25%を配分しましょう。
VOO(S&P500)とVB(small cap)は味付けです。全世界インデックスによりアメリカ色を強めるということです。各々5%を配分しましょう。
残り15%はVIGです。これは生涯持ち続けるETFです。配当金の成長を気長に楽しみましょう。
つまり、VT25% + VOO5% +VB5% +VIG15% = 米国ETF50% これが配分方針です。
以上は、あくまでも私のアイディアですので、良し悪しは自分で判断してくださいね。
<<投資は自己責任で>>