
ポートフォリオ構築の基本の考え方
前回は投資行動そのものを俯瞰して見てみました。そして株式を代表とする各資産への配分比率について(私の考える)目安を提示しました。即ち;
株式:60% 実物資産:15% 仮想通貨等:5% 現金・預金:20%
このポートフォリオの基本要素は、株式(60%)と現金・預金(20%)です。実物資産等の20%は、株式と異なるリターンの波を生むリスク資産としてスパイス的に加えていると考えてください。株式80%+現金・預金20%のポートフォリオでも本質的に変わりません。
通貨をどの様に考えるか
資産の分配比率を先に示しましが、同様程度に重要なこととして投資資産の通貨の選択をどうするか、の判断があります。
私の結論では、米ドルに6割程度、円に4割程度で考えています。
二つ理由があります。
一つは、長期的に考えると円高は進みにくいと考えているからです。円高に振れると、ドル資産の円建て価値は減りますが、そのリスクは低いと考えているからです。理由については、以下の投稿を参照してください。
二つ目は、米ドルを持っていれば「何処でも、何にでも」使えると考えるからです。私は東南アジアに長く住んでいましたが、現地通貨と遜色なくドルを日常的に使うことができました。日本はまだ日本円中心ですが、実はネット通販では使えるところが増えています。また(残念ながら)日本の世界での経済的影響力は下がる一方ですので、将来的には東南アジアと同じように米ドルが普通に使える国になると思います。日本円の世界における影響力は下がり続けるということです。
資産を日本円だけで持つリスクは将来的に高まっていくでしょう。米ドル資産を保有して、リスク分散する必要があるのです。
株式ポートフォリオのお薦めアイディア
まずは保有資産の中心となる株式ポートフォリオをどの様に構築するか、を考えましょう。
まず、株式投資の中心はインデックス・ファンドとするべきです。その理由は以下の投稿を参照してください。
次に、インデックス・ファンドを中心にするとして、何を買うべきか?
選択肢として大きく投資信託とETF(Exchange Traded Funds)がありますが、長期投資としては強くETFをお薦めします。理由は単純で、投資信託の多くは手数料が高いからです。
株式投資は長期保有が原則ですが、投資信託の多くは0.2%以上の手数料がかかります。この手数料を払って10年保有した場合、元本の2%程度を手数料で払うことになるのです。10年間で値上がり益が15%程度だったとしましょう。なんと15%の内の2%が手数料に消えるのです。
この点、ETFは上場されていることもあり、手数料は投資信託に比較して低いです。しかし、日本のETFの手数料は世界的にはまだ高いです。そこでお薦めは米国上場のETFです。多くの米国ETFは手数料が0.1%以下。0.06%のETFもあります。10年保有したとしても、手数料累計は0.6%です。また、規模も大きく様々な種類のETFが存在します。
通貨の問題も解決できます。米国株ETFはドル建てですので、ダイレクトに購入することでドル資産を保有できます。
お薦めは米国株式ETF
株式投資の中心はインデックス投資、具体的にはETF、しかも米国上場ETFが圧倒的に有利であることを説明しました。
しかも通貨分散にもなります。私は、株式へ配分する60%のうち、50%を米国株に投資することを推奨します。これでポートフォリオの半分が米ドル建てとなります。米ドルの配分目標は60%でしたから、残りの10%は米国債へ回したら良いでしょう(現金・預金20%の内訳)。
さて、50%の米国株への投資、何を買ったら良いでしょう?
第一の候補は全世界株式インデックスです。文字通り、世界の株式は時価総額に応じて投資するのです。
次の候補は米国株式インデックスです。いくつか種類があります。
- SP500、DOW30、NASDAQに連動するインデックス
- 高配当株にフォーカスするインデックス
- 中小型株にフォーカスするインデックス
私は、全世界株式とSP500を中心に、高配当株と中小型株を含んだポートフォリオ構築を推奨します。詳しいことは次の投稿で説明します。
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