息子のための金融論3~お金の起源③
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前回2回に分けて、お金の起源について説明しました。まず物々交換の代わりとして「貨幣」が発明されたとする定説を説明しました。
次に「紙幣」について説明しました。一枚の紙きれにどうして一万円の価値があるのでしょう?それは皆が価値があると信じているからです。なぜ信じるかというと、それは国と金融制度がこれからも続くという「信用」に他なりません。

物々交換の代わりとしての「貨幣」は直感的に理解できますが、信用が背後にある「紙幣」って少し理解が難しいのではないかと思います。

実際、経済学等では「最初に貨幣があり、経済社会が発展するにつれて信用に基づく紙幣などが発展した」と説明されることが多かったです。しかし前回説明したヤップ島フェイの研究なども進み、信用に基づくお金の制度はとても古くから存在していたのではと、現在では考えられています。むしろ最近の研究では、物々交換は歴史上存在しなかった、との説もあります。

直感的にわかりやすい「貨幣」的にお金を理解するか、信用から創造される「紙幣」的にお金を理解するか
この二つの立場は、実は経済に対する理解に大きな違いをもたらします

後者の立場に立てば、信用創造は経済に対して非常に重要な、というよりも根源的な影響を与えることになります。
アベノミクスによる金融緩和の効果は、後者の見方無くしては、理解できません。
難しいことを言っているように聞こえるかもしれませんが、このブログで徐々に解説していきます。
今の段階では「お金は単にモノを媒介しているだけではない存在」と覚えておいてください。

日本は金融緩和に否定的な意見が多いです。代表的なコメントは「こんなにお金をジャブジャブにしても意味がない」などというものです。この発言をする人は、おそらく無意識に「貨幣」的にお金を理解しているのでしょう(だって直感的にわかりやすいから)。
しかし、信用創造の観点からは「ジャブジャブ」こそが重要なのです。
そして日本はずーと「ジャブジャブ」が足りなかったのです。アベノミクスによる金融緩和までは。

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