息子のための金融論1~お金の起源①
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世界最古の貨幣は、約2600年前、現在のトルコ西部リディア王国に作られたと言われています。
日本で最初に作られた貨幣は708(和銅元)年発行の和同開珎(中国に倣ったもの)と教科書で教わりますね。
ただ、今の研究によれば、それ以前にも我が国独自の貨幣はあったようです。

貨幣は古代から、金・銀・銅などの貴金属で作られています。割れたり形が変わったりしにくく、持ち運びにも便利だからでしょう。
また、その貴重性から安易に模造されないという利点も無視できません。

貨幣が発明される前は、人々はモノを物々交換したと言われています。それは不便だったでしょうね。だって自分の欲しいもの(例えばお肉)を持っている相手が、自分が持っているもの(例えば魚)を欲しいとは限りませんから。交換相手を見つけるのに時間と労力がかかったでしょう。

以上、「貨幣」は物々交換の不便さを解消するために古くから発明されていた、という通説です。

でも「お金」には「貨幣」(コイン)の他に「紙幣」(お札)もありますね。紙幣はただの紙なのに(例えば)一万円の価値がありますが、考えてみたら不思議です。一万円札の製造原価は20円と言われますが差額の9980円の価値はどこから来るのでしょう?

それは、お札に一万円の価値があることを、皆が確信しているからです。ずーとこれから、このお札(紙)で一万円分の買い物ができることを、人々が信じているからです。この「信用」はどこから来ているかというと、国が約束、保証しているからに他なりません。

また銀行預金(口座)からの振込みでお買いものができますから、預金もお金の一つと考えられます。現物のお金を使わない振り込みがお金として機能するのも、銀行システム(銀行が存在し続けること、その記帳データが正しいこと)を人々が「信用」しているからです。

物々交換の代わりとしての貨幣は古くから存在するが、「信用」をベースとする紙幣・銀行システムは近代の発明と考えられてきました。ところが最近の研究では、この「信用に基づく」お金の仕組みが、古くから存在していたことが明らかになってきました。西太平洋、ミクロネシア・ヤップ島の巨大石貨、フェイにその形跡があるのでした。

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