息子のための金融論8~金利って何? 割引率はどのように計算されるの
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金融の基本中の基本 現在価値の復習

前回までの記事で、金融で最も重要な概念「現在価値」について説明しました。将来の入金(キャッシュフローと言います)を、リスクに応じた割引率で除算した値が、現在価値です。良く使われる英語の略字で示すと、以下になります。

         PV=CF÷(1+r)

                PV:Present Value(現在価値) CF:Cash Flow   r:割引率

CFは数年に跨るので、正確に表現すると以下になります。高校で習う数学の知識が必要です。

この現在価値が、金融商品の価格です。この式で分かる通り、2つの変数しかありませんね。即ち、CF 将来のキャッシュフロー と r 割引率です。

割引率はリスクに応じて決定される

バラツキはリスク

2つの変数で現在価値(価格)が計算できることはわかりました。一つ目の将来のキャッシュフローは、会社やプロジェクトが将来産み出す利益の見込みであることは、直感的に理解できるでしょう。では二つ目の割引率はどう決まるのでしょうか

それは将来のキャッシュフローのリスク、「バラツキ度合い」で決まります

具体的に考えてみましょう。

銀行が会社に一億円を貸すとします。A社は業績が順調な大会社、B社は設立間もない中小会社です。

銀行にとって、一億円が返ってくる(返済される)バラツキは、A社は小さくB社は大きいと見積もられるでしょう。適用する割引率は、A社<B社となります。

投資会社がZ社に一億円を融資する場合と、投資する場合はどうでしょうか。融資は、期日に一億円に利息が付いて返済される取引です。投資はその会社の株を買う取引で、買った後の株価は、上昇して儲けるチャンスもありますが、下落して損するリスクもあります。融資と投資では、将来一億円を回収するバラツキ度合いはこの様に異なります。割引率は、融資<投資となります。

ハイリスク・ハイリターンの法則

割引率は、バラツキの程度が高いほど、高くなりますハイリスク・ハイリターンの法則と呼ばれ、金融の鉄則です。ここでよく勘違いされるのはリスクの意味です。ここでいうリスクは、上がったり下がったりするバラツキです。日常的にリスクというと、下げのみを意味しますが、この計算上のリスクは上げも含めたバラツキです。ある会社の業績が下がる一方だとしますね。その場合、業績の下げは将来のキャッシュフローの低下として、計算上に現れるのです。割引率が上昇するのではありません。

割引率の具体的な数字は、金融株式市場全体の動きと、その中で会社がどの位置付けにあるか、できまる

今の段階ではこの様に覚えておいてください。割引率の具体的算出については、数回に渡る説明が必要になるので、追って「株式・債券投資」の回で説明します。市場全体の動きと、会社個別の特性、双方が重要となります。

割引率は価値計算で重要な要素、でも測定が難しい面も

割引率の話になると少し難しくなりますね。しかしこの辺が金融の肝のところです。このブログでも繰り返し説明するつもりですので、暫く辛抱してください。

この投稿で強調したかったことは、割引率は現在価値計算において、非常に重要な要素であるということ。会社の価値を論じる際に、つい儲け(利益)にのみ注目が行きがちですが、リスク(バラツキ、これで割引率が決定される)も同様の重要性を持っているのです。現在価値計算の式を思い出してください。

日本企業は、今でこそ改善してきましたが、この割引率に対する意識が薄いです。国際的に収益性が低い要因とも言われます。

価値計算において自分の会社はどれだけ割り引かれるのか、それを知ることは基本中の基本です。これ無くして経営とは言えません。

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