投資に役立つメモ:行動経済学
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株価決定理論として、以前の投稿でCAPM(Capital Asset Pricing Model:資本資産価格モデル)について説明しました。

CAPMは投資の本質を突いた洞察に富む理論です。基本の考え方としては全く正しいです。

しかし、仮定として「投資家は合理的に行動する」としており、この過程により幾つか説明のできない事象がありました。有名な例として、以下の設問があります。

設問①
A. 無条件で50万円もらえる
B. くじで当たれば100万円もらえる(勝率50%)。外れは何ももらえない

設問②
A. 無条件で50万円を失う
B. くじで当たってしまうと100万円失う(確率50%)。無事に外れれば何も失わない

この二つの設問で、A.B.の期待値は同じです(①+50万円 ②-50万円)。

しかし、①では多くの人がA.を選び、②では多くの人がB.を選ぶことが、実験などで確かめられています。

これは、人間の心理が損を回避することを重視するからだ、と説明されます。

つまり、設問①ではみすみす50万円を逃すことを損だと考え、A.を選択するのです。質問②では確実な損を避けるためくじにチャレンジするのです。

行動経済学では、上記の心理を前提に人間の行動を予測するモデルを確立しています(プロスペクト理論)。

プロスペクト理論に則ると、人間はなぜ利益確定を急ぐのか、あるいは損切を伸ばすのか、が説明できます。

投資家の我々とすると、上記理論は不合理なことをしないための「ルール付け」が重要なことを教えてくれます。すなわち、利益確定や損切のルールです。機械的なロスカットルールの重要性は投資の基本ですよね。

その他、投資に影響を与える「行動バイアス」の例を、以下記述します。

  1. Anchoring:最初に提示されたものの特徴や数値、価格によって、後に提示さるものの数値の判断がゆがめられ、最初に提示されたものに近づく傾向のこと
  2. Attribute substitution:複雑な判断(計算)を避け、簡単化してステレオタイプで判断してしまう傾向
  3. Availability heuristic:入手が容易な情報に強く影響を受けた判断をしてしまう傾向
  4. Framing effect:額縁によって絵画が異なる様相を示すように、同じ問題でも、どこを強調するかによって与える印象が変わり、意思決定に影響が与えられる傾向
  5. Sunk cost fallacy:将来に向けた意思決定の問題なのに、過去に支払ったコストに影響を受けてしまう傾向

自らの行動バイアスに気づくことで、より合理的な判断ができるのだと思います。行動経済学ついて、更に勉強をしたいと思いました。また、紹介いたします。

 

 

 

 

 

 

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