コロナ経済政策、負けパターンを繰り返すのか
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自民党が経済対策を検討しているようですが相変わらず too slow, too little です。和牛券は悪い冗談と思いたいです。因みにこの提案した議員は、和牛で有名な鹿児島県選出です。わかりやす過ぎて脱力感です。

自民党は消費減税を意地になって否定している感じがあります。「一度下げたら戻すのが困難」などと言っていますが、そもそもコロナ前の昨年1012月期の経済が(消費増税で)ボロボロだったことは忘れたのでしょうか。景気低迷を全てコロナの理由にする、恐れていた流れが始まっています。

消費減税に抵抗する勢力を纏めてみました

財務省が増税勢力の中心であることは、ネットなどで良く知られるようになりました。緊縮が目的化した、日本的官僚組織の典型です。旧陸軍そっくりです。

デフレ脱却を約束した筈の自民党が抵抗勢力となっています。特に、麻生財務相、二階幹事長、岸田政調会長は酷い。選挙の時など良く覚えておきましょう。

経済学者、特に有名大学(T大、H大、K大とか)の経済学者の財政支出を酷く嫌う傾向は変わりません。代表格は土居丈朗氏、野口悠紀雄氏でしょうか。いずれも財政学が専門だと思います。

金融系エコノミストはやたら金利急騰、ハイパーインフレとか警鐘を鳴らすのですが(そして予想が当たったことはないのですが)熊谷亮丸・大和総研チーフエコノミストが筆頭でしょう。今回コロナについてはあまり発言が無いようですが、ダンマリを決め込んでいるのでしょうか。しかしこの券会社(大和)は、株安に繋がる増税派をチーフエコノミストに起用するなんて何を考えているのでしょう

経団連、日本商工会議所、経済同友会の経済3団体は全て消費増税を全面的にサポートしてきました。民間経済団体が消費を押し下げる政策を支持するという、日本ならではの奇妙でグロテスクな構図です。

高齢者の勘違いもあります。金融緩和を嫌い、財政破綻→ハイパーインフレを真面目に信じている層だと思います。

財務省は旧陸軍 官僚組織の恐ろしさ

最大抵抗勢力 財務省

消費減税に対する最大の抵抗勢力は財務省でしょう。政治家や経済学者を裏で操っているとしか思えません。何故彼らはそこまで増税に固執するのでしょうか。それは「増税が目的化」しているからです。日本国民の為ではなく、増税そのものが目的なのです。増税することで省庁内での権力がアップすることもあるでしょう。増税に成功した担当者達は出世するのでしょう。いずれにしても増税が目的で、増税によって日本経済(国民)がどうなるかは、全く考えていないと思います。官僚組織は一度「決定したこと」は変えません。なぜなら、「決定した人」(多くは過去の実力者)を否定することになるからです。それは身内の論理では許されないのです。しかも自らの組織にプラスに働かないことであれば、猶更です。

日本陸軍との類似性

私は日本軍を直接は知らない世代ですが、父が海軍兵学校出身でした。兵学校は東大より難しい、トップエリートだった、と威張ったものです。「(第二次世界大戦で)何故負け戦を続けたのか」と聞いたところ「一度開戦を決めたので止められなかった」「自分は未だ若かったが、止めるなど言える雰囲気ではなかった」と言ったものです。「戦争を続けることに全力を尽くした」とも言っていました。勝つことではなく、戦争を続けることが目的だったそうです。戦死する国民のことなど、歯牙にもかけなかったのでしょう。それが日本的官僚と言うものです。

典型的官僚組織「日本軍」を分析した名著↓

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

経済界と学者、金融系エコノミストは同じ穴の狢

財務省(含むOB)と経済団体はお仲間

財務省OBを顧問に雇ったり、経済団体は財務省の外郭団体をアドバイザリーとしたり、企業と財務省は密接な関係があります。税務調査が財務省管轄ですので、企業にとって怖い存在でもあります。いずれにしても、業績下押しに繋がる消費増税を経済団体があれだけサポートするのは、仲間意識としか思えません。経済学者、特に有名大学の学者達も、お仲間意識と自らの拍付け、そして大学退官後の処遇(財務省外郭団体への天下りとか)など計算して、財務省に阿っているのでしょう。

金融業はそもそも財務省に頭が上がらない

銀行や証券会社は財務省と特に密接な関係があります。関係というか、財務省に陳情する立場です。そこに所属するエコノミストに、いろいろ暗黙の制約があるのは容易に想像できます。また、彼らの多くは為替や債券のディーラー出身であり、経済の基本的原理を知っている訳ではないです。私は10年以上、金融系エコノミストから経済見通し等を聞いていますが、殆ど役に立ちません。アベノミクス初期の金融緩和が始まったとき、彼らの殆どは「効果がない」「ハイパーインフレになる」「国債が暴落する」と断言していました。もちろん例外的に信頼できるエコノミストもいます。代表格は、片岡豪志氏です。一度話を伺う機会がありましたが(2014年)理路整然とアベノミクスの効果を説明し、また、来る消費増税の悪影響について適確に予言していました。

片岡氏の予言的名著↓

アベノミクスのゆくえ 現在・過去・未来の視点から考える (光文社新書)

高年齢層の勘違い

高年齢層の方々、大臣や経済団体トップの多くが含まれますが、未だ1970年代の頭でいるような気がします。つまり、インフレが悪であり、日本が大きな政府と言われた、あの時代です。加えて、日本がまだ豊かであると勘違いしている感があります。こういう頭でいると、金融緩和(インフレターゲット)は悪、財政は切り詰め、減税など贅沢を言うな、という発想になります。実際、麻生財務相の過去の発言を見ていると、このように考えているのではないかと思えてなりません。

現実は全く逆ですね。「失われた20年間」という言葉がありますが、世界史でも珍しいデフレを20年以上続ける経済失策を続けています。アベノミクス初期に光明が見られたものの、消費増税でデフレ脱却の芽を摘み、加えコロナショックの現状です。

日本は小さな政府 公務員比率は最低水準

日本は大きな政府ではありません。まず政府の財政支出については過去からOECD平均値を下回るレベルです。問題は公共サービス(公務員の数)です。特に1990年以降継続して公務員の削減が行われ、国民一人当たりの公務員数は先進国最低水準です。この点に関する様々な問題は以下の記事をご参考ください。

新型コロナとの戦い「公務員」を切り捨て続けてきた日本のツケ

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/71045

低すぎる日本の賃金

日本はこの20年間賃金が殆ど上昇していません。他国では殆ど賃金は上昇していますので、相対的に下がっています。私がシンガポールで働いていた時、シンガポーリアンの給料は毎年5%程度上がっていました。帰国する頃には、部下の給与水準が(私を)逆転していました。今は逆転どころのレベルではないそうです。日本人の給与では、人材を確保するのが難しい状況のようです。

<働き方改革の死角>日本、続く賃金低迷 97年比 先進国で唯一減

 https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201908/CK2019082902000151.html

高齢者の方々、とくに偉い方々は、この20年強で生じたこの変化を理解していない人が多いように思います。頓珍漢なことを言わず、早期の引退を望む次第です。

 

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