経済雑感 世界的なジエットコースター相場、これから日本だけ突出して落ち込むのか
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世界の株式相場が乱高下しています。NYKダウは昨日1000ドル近い下げ、日経平均も今現在(3/6 13時ころ)650円近く下げています。気がかりなのは円高です。ついに106円を切りました。まだまだ進みそうな不気味な相場です。

なぜ円高になるのか

こういった世界的な弱気相場(ベアマーケット)になると円高が進みます。有事の円買いなどと言われます。世界的な天災、紛争等が起きた際に、資金の逃避先として「安全な通貨・円」が買われるという構図です。

しかし、日本は世界でも有数の借金国と喧伝されます。本屋でも「ハイパーインフレ」「国債暴落」などのタイトルが並びます。テレビでも有名な評論家が「借金を早く減らさないと危ない」と解説します。自ら認める借金大国、危ない国日本の通貨が、何故有事に買われるのでしょう?世界の金融機関、ヘッジファンド、運用会社は何もわかっていない?

そんなことはありません。巨額のマネーを扱う金融機関等は、合理的にリスクを計算して資産の配分を行います。その計算の為に、最新の経済データや各国政策の見通しなどを瞬時に反映させていきます。日本の経済評論家が足元も及ばない人員やAI等の設備を駆使して資産運用を行っているのです。その彼らが何故円を買うか。それは有事の円買いが経済原理から合理的だからです。

二つ理由があると思います。

日本は安全と計算されている

日本の純資産残高(=対外資産-対外負債)は2019年末現在で約342兆円あり世界最大です。

   対外資産残高:1,018兆380億円(対前年末比+4兆6,740億円、+0.5%)
   対外負債残高:676兆4,820億円(対前年末比▲7兆5,800億円、▲1.1%)
   対外純資産残高:341兆5,560億円(対前年末比+12兆2,540億円、+3.7%)
                       (令和元年5月24日 財務省報道発表より)

二位はドイツ、続いて中国、香港、台湾、スイス、ノルウェー、シンガポール、サウジアラビア、オランダとなります。

つまり、日本は対外的には無借金、というか世界一の金持ち国なのです。「危ない」「ハイパーインフレ(円の価値が下がる)」どころか、有事のお金を預けて最も安全な国と計算されているのです。

加えて、有事の際には日本は対外債権を売って(ドルを売って)日本に還流させる(円を買う)ことができる(余裕がある)と認識されていますので、円高の思惑に繋がるのです。

皮肉な話で、過去積み上げた膨大な対外資産が、有事の際には円高のルートを通じて日本経済を更に苦しめる構造ができあがっているのです。

日本の金融・財政政策は too late, too little と分析されている

FRB(米国)とECB(欧州)はコロナ対策に向けて協調的な利下げの準備につき声明を出しています。英中銀も同様のコメントを出しました。米国、中国は財政出動の準備に入っています。シンガポールも消費税率上げの計画を凍結しています。日本は、黒田総裁が「金融市場への潤沢な資金供給に努める」と声明を出しましたが、それに留まっています。政府は財政出動についてダンマリです。

このように、先手と機動性が必要とされる金融・財政政策が、日本の場合常に遅く、しょぼい(too late, too little)ということが、世界の金融市場で知れ渡っています。逆にアベノミクス開始時点であれほど円安、株高が進んだのは「あの日本がまともな金融政策を採用する」とサプライズが走ったからです。しかし、最近の動かない日銀や相変わらずの緊縮路線(消費増税など)で、再び元の評価(too late)に戻っています。

金融政策が遅いということは、世界が追加の金融緩和に遅れるということです。当然円高に繋がります。財政政策がしょぼいということは、デフレ再突入へのリスクが高まるということです。インフレ期待の低下を通じて円高に繋がるのです。

日本はリーマンショック後の過ちを再び繰り返すのか

今回コロナショックはリーマンショックに例えられ始めました。日本はリーマンショックの最大の経済的被害者(オウンゴールですが)でした。各国が金融財政政策を繰り出すなか無策に終始し、日本はデフレのどん底に陥ったのです。リーマンショックの時、当時の経済財政相は「蚊に刺された程度」と言い放ちました。私は当時シンガポールで暮らしていましたが、日本の危機意識のあまりの薄さに暗澹となったことを覚えています。

現在の安倍政権を見ていると、再び同じ過ちを繰り返す可能性が高いと言わざるを得ません。アメリカ発のリーマンショックで最も被害を受け、中国初の今回も再び最大の(経済的)被害を受けるのでしょうか

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