ガラパゴス経済学
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シンゴジラに登場した学者たち

緊急事態宣言が出ましたが東京、大坂などの感染者増加は止まりませんね。ただ外出抑制の効果はタイムラグを伴いますので2週間程度見守る必要があります。その間は「3密」回避を厳守することが我々にできることです。因みに「3密」を「集近閉」(しゅうきんぺい)と言い換えることが拡散されているみたいですね。「集=人が集まる所を避けよ、近=近くでの会話や交流を避けよ、閉=閉鎖や密閉、換気の悪い環境を避けよ」ユーモアがあって分かりやすいと思います。

また、厚生労働省のクラスター対策班の北海道大学社会医学分野教授、西浦博氏には本当にご苦労さまとの言葉を届けたいです。氏は政府との距離を保つためにも無給で奉仕していう様ですね。それでも例の8割削減を提案した際、政治家(与党でしょう)から6割にできないのか、本当に8割必要なのか、などと圧力があったとのことです。私は映画「シンゴジラ」を想い出しました。異端とされていた科学者が活躍しましたよね。一方、「御用学者」は役立たずどころか、足を引っ張るばかり。そう、日本の経済学者(の主流派)は典型的な「御用」です(西浦氏は異端ではありません、御用経済学者と対比する意味です)。

経済学者のトンデモ提言

トンデモとは、経済学者林文夫氏のコロナ対策に対する提言です。氏は政策研究大学院教授ですが、経歴を見る日本的「主流派」経済学者と思われます。政策研究大学院大学とは東京六本木にある国立大学で、官僚・地方公務員などが学生として多です。私の経験からすると、こういう学校は官僚組織の外殻団体そのものです。さてその提言(4/6付け)ですがその提言を読んで「やっぱり御用学者」と思うと同時に薄寒くなりました。以下目を通してください。

https://drive.google.com/file/d/1rIVefx56JpIcmVqhWNzACl3269mb8WHK/view

提言は大きく4つあり、その一つ「現金給付について:政府は損保に徹せよ」は分からなくもない。しかし他の「企業への支援は不要」「財源は、所得税でなく消費増税の特別増税」「感染終息後の景気刺激策は不要」は「今それを言うか」の酷さです。一つ一つ見ていきましょう。

企業への支援は不要

根拠は「企業は個人が所有するしている。個人に保障しているのだから二重になる」とのこと。企業(法人)は実在していないという擬製説(一つの仮説)を無前提に使っている。長年ビジネスに関わっている人間にとって、この法人擬制説は100年以上古い!

財源は、所得税でなく消費増税の特別増税

根拠は「⾚字国債を財源にするのは、将来の現役世代が負担することになり、効率性の原則に反する」とあっさり書いていますが、コロナ以前から財政拡大が世界の潮流にある事実に、完全に背を向けています。ガラパゴス経済学ここに尽きます

感染終息後の景気刺激策は不要

まず今「収束後」の話をするか?今から財政出動を牽制しようとする意図が見え過ぎ。根拠は「供給ショック」だから需要刺激は不要だとのこと。私の会社もそうですが、皆「人々が買ってくれない(需要不足)」が長く続くことを恐れているのですけど。「コロナに起因する需要不足で売り上げが3割中期的に減少することへの対応」とか私も会社で議論している最中ですが?国立大学は授業料が減っても関係ないのかね。「リベンジ消費で経済は放っておいてもV字回復する」って言い切ってますよ、このセンセーは。

ガラパゴス経済学

林文夫氏は「供給が需要を生む」「単年度財政均衡」「経済は長期的に均衡する」等の前提を自明として分析しているのでしょう。ハッキリ言ってお遊びです。「センセーのお遊び」で終わるのならいいですが、政策研究大学院教授として官僚、ひいては政治家にも影響を与えますので看過できません。麻生大臣の背景にはこういったガラパゴス集団がいるのは間違い無いです。この人はこんな事を言っています。日本国民の不幸の源です。

https://www.asahi.com/articles/ASN2W5TRTN2WUTFK00Q.html

この人は「自分は経済をわかっている」と言う老人特有の妙な自信でこういった発言を繰り返し、ガラパゴス達がお墨付きを与えるのです。ケインズの以下の言葉を思い出しました。

The present rulers and intellectuals are an intellectual in the past and a slave of thought in the past completely.
現在の為政者や知識人は過去の知識人や過去の思考の奴隷

また林センセーには以下の言葉を。
When it’s only to say “When a storm passes far, later, a wave would become calm.” to be able to say to an economist stormy time, their work is silly and unnecessary.
嵐の最中、経済学者にいえることが、「嵐が遠く過ぎ去れば波はまた、静まるであろう」ということだけならば、彼らの仕事は他愛なく、無用である

学者や官僚に騙されないために

コロナを契機に、特に財政出動に対する世間の発言に変化の兆しが見えてきました。今までは「財政破綻」「ハイパー・インフレ」とか無神経にTVコメンテーター(池上彰氏とか、この方は経済の基本的素養は全く無いと思われます)が発言していましたが、ビートたけしさんの以下発言は是非拡散させましょう。

 ビートたけしさん、「お金を刷ればいいんだよ」と発言、安住アナもナイスフォロー

https://twitter.com/andouhiroshi/status/1249135734738620417?s=20

日本国民はこの数十年デフレで苦しんでいますが、原因は為政者・官僚がガラパゴス経済学をもとに誤った政策を続けてきたからです。奇しくも今回コロナで世界の経済政策と日本の政策があまりにも違うことが浮かび上がり、経済音痴の国民も少しは気づいてきたことは不幸中の幸いです。でもまだまだ足りません。安倍政権の今回経済対策を評価する人が40%とNHKのアンケートです。嘘かと思いました。

ガラパゴス勢も必死の抵抗をすると思います。自分たちの立場を守るためには、あの方々は国民などどうでも良いのです。前の戦争を見れば明白です。同じことをしてきます

でも今はネットで海外の動きがリアルタイムでわかるし、マスコミとは違うルートの情報網がいくらでもあります。もう騙されない情報を、いろんなレイヤーで発信し続けましょう。私も微力ながら続けていきます

(4/16 追記)

東京財団政策研究所という機関が【経済学者による緊急提言】を出しています。

https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=3361

陳腐な内容だし、オンライン化について(一番遅れている)大学関係者に言われたくない。それにしても看過できないのは以下の文章。

いま新型コロナ問題で急激な業績悪化に苦しむ中小企業を支援すべきことは言うまでもないが、それとともに適正なスピードでの企業の新陳代謝を促す政策も組み合わせることが必要

「企業の新陳代謝を促す政策」って要は潰すことでしょう。今言うことか。そして政府のやることか。

本当に日本の経済学者は酷い。アメリカから「輸入」できないのかな。

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